テナントさんとシーンさんによる役柄につい…

(※恐らく二人が知り合うようになった最初のきっかけは?というような質問を投げられたのだと思われます)

DT:
『Bright Young Things』よりさらに前から面識はあったような気もする…ただあの作品でお互いのことをそれなりに知るようにはなったかな。
MS:
うん。僕たちは二人とも『Bright Young Things』という映画に出ていたんだ。ステティーヴン・フライが監督したやつ。
DT:
…200…3年?
MS:
…うん。そんな感じ。
DT:
そういうことにしておこう。
MS:
うん。でも一緒のシーンは無かった。ただ…同じ作品に出ていただけで。
DT:
うん。
MS:
それ以来何となくお互いのことを知るようになって…でも実際一緒に仕事をしたのは今回が初めてだね。しかも徹底的に。
DT:
そうなんだよね。
MS:
僕たち二人だけが、四六時中一緒(笑)
─ :
では、これだけ長い時を経てから実際に共演してみてどうでしたか?
MS:
これは前から言っているし嘘でなく、僕はデイヴィッドのファンとして参加したんだ。
DT:
僕も同じく。
MS:
お互い似ても似つかないっていうわけじゃない。同じ役を演じることもできるんじゃないかな…上手くいったのもそれが一部理由だと思ってて…(役の二人も)同じ天使という立場からスタートして、そこである種繋がりというか、似たところがあるのは良かったと思う。ただその結果が同じになるとは限らない。だから初めて読み合わせをした時、どことなく「ああなるほど、君はそっちの方向に行くんだな。じゃあ僕はこっちに…」といった感じになる。リズムを取って、ダンスをしている感じなんだ。それが上手くハマった。とてもいい具合に。
DT:
最終的には僕が思っていた通りのところに行き着いたんじゃないかと思う。というのも、何となく想像はしていて…「彼はこういう俳優だから、きっと創作的にはこう…頭もキレて回転も速くて…」みたいに。でも実際会うまでは分からない。というのも、相手がどういうふうに仕事をするのか、どんな人間なのかっていうことをある程度予想していくこともあるけど…
MS:
そう。相手の演技プロセスを全く知らないからね。
DT:
その通り。
MS:
一緒に仕事をするにはとんでもなく鬱陶しいやつだって可能性もある。仕事の結果はさておき。
DT:
そう。そうだね(笑)それに相手のことを個人的に知っていたとしても、仕事人としての一面を知っているとは限らない。でも今回は、そうはならなかったと思う。想像していたようにやりやすかったし、クリエイティブだったし、楽しかったし…
MS:
実際以前聞かれたのが ― デイヴィッドに気まずい思いをさせる可能性を承知で言うと ― 誰かに「この役を演じてみて、一番の挑戦は何でしたか?」と聞かれたんだ。嘘でなく、一番の挑戦はデイヴィッドとのシーンで彼を見ながら、彼のやることを楽しんで見ちゃうことだったんだよ。こっちが演技を止めて、「きみが今やってること、すっごく上手だな!今の演技、僕はすごく好きだ!」となる危険性があった(笑)
DT:
あっはっは!(笑)
MS:
でも素晴らしかったのが…よく「テニスの試合のごとく」とか「ボールの打ち合い」といった使い古された言い回しがあるけど、実際にそんな感じだった。
DT:
確かに本当に試合をしてるような感じがした。
MS:
それにキャラクター自身がハマった。あまりに綺麗に互いを補完し合うものだから、自分がその役をちゃんと演じようとすればするほど、それが物語にも反映されていく。それが物語の要であり、二人の関係の要だからね。それと僕にとっては簡単なことだったんだ。というのも初めの段階で、アジラフェールはとにかくクロウリーが大好きなんだと僕は結論づけたから。でもそれは彼にとっては厄介だ。二人は敵対者だし、全てにおいて意見が合うわけじゃない。だから俳優としてもそれは役立って… 僕の目標は、君のことをどれだけ好きかを表に出さにことだった(笑)
DT:
あっはっは(笑)
MS:
うっとりした眼差しで見ないように…(笑)でも実際に起こることなんだよ(笑)
DT:
けどクロウリーだって、とにかくアジラフェールのことが大好きだ。大好きなことがすごく嫌なんだ。そんな自分が酷く腹立たしい。
MS:
はは(笑)この物語にはどことなく素晴らしいラブ・ストーリー的なものがあるんだよ。そして原作ファンの多くも、そういうところが好きなんだと思う。キャラクターたちの間に、興味深いラブ・ストーリー的なところが確実にある。
DT:
ずっと二人の依存的な関係について考えているんだけど、神話的な要素がありつつ、すごく人間臭いんだよね。すごく平凡だ。
MS:
それに二人には互いしかいない。他には誰もいないんだ。僕がビートルズの物語が好きなのもそこなんだけど、彼らの体験は彼らのもので、他の誰にもビートルズになるのがどんなことかは分からない。同様に、悪魔と天使がこれだけ長い間地上にいるのがどんな感じなのか、他の誰にも分からない。
DT:
とりわけ、数世紀の間に他と…それぞれの本部から切り離されて、自分たちの地上での暮らしを守りたくなっている。人間たちに交じった暮らしを楽しんでいるから。本当はそこまで満喫してはいけないはずなのに。
MS:
そして考えれば考えるほど、ニールとテリーの原案の見事さに立ち返る。天使と悪魔が地上に住んでいて、本来は敵として戦っているはずなんだけど、地上や人間や人間として暮らすことが大好きになってしまって、破滅を食い止めるために自らの上層部に立て付くことになる…素晴らしい物語だよ。
─ :
これまでご自身が演じてきた中で、本作で演じている役と似ている役はありましたか?それとも全く違うのでしょうか?
DT:
それはいい質問だ、きちんと答えるのに3日は必要な気がするよ。
MS:
僕がまだ映画に携わり始めたばかりの頃、『Heartlands』ごく小規模の自主製作映画に出演したんだが、それで演じたキャラクターはすごく純真だった。ある種のロード・ムービーで、一度も自分の村から出たことのない青年が、原付に乗ってイギリスを横断して妻を取り返そうとする話だ。彼はすごく純真で ―
DT:
あの映画の君は素晴らしかった!覚えてるぞ!
MS:
ありがとう(笑)その純真さが、ある種アジラフェールに一番近いかな。でもアジラフェールはただ純真なだけじゃない。その要素はあるし、彼は傷付きやすくて、あらゆるものが彼にとっては上辺の出来事で…今までこんなキャラクターを演じたことはないかな。
DT:
僕が思いつく唯一のキャラクターは『フライトナイト』のピーター・ヴィンセントだ。彼は少し…まあ、服装はかなり似てるよ(笑)少しロックで、自分がクールだと思っているけどその実ちっともそんなことなくて、外面はかなり威張りくさってるけど内面は優しくて情に脆い…そんな一面がクロウリーにもある。
MS:
ああ、『Bright Young Things』で演じたキャラクターは少しだけアジラフェールみたいなところがあるかも。ほんの少しだけ…
DT:
なるほど。
MS:
何というか…どうだろう、少しだけ…あるかも。
DT:
うん。でも繰り返しになるけど、彼らは不変で原初で、そういう二人をニールとテリーが生み出した。彼らは遥か昔からいるんだ。
MS:
それとアジラフェールを表現する時、二人の関係抜きで説明するのは難しいと思う。クロウリーなくしてアジラフェールなし、といった具合に。