Good Omens: Lockdown

C:
…なんだ。
A:
えっと、やあ、私だよ!
C:
そんなことは分かってる、アジラフェル。
A:
うん、そうだね。ロックダウンでどうしているかなと思って。
C:
退屈だ。とにかく、ひどく、とんでもなく退っっ屈だ。超~自然的に退屈だ。何もすることがない!あと二日以内にすることを思いつかなければ、俺は昼寝をして目覚まし時計を6月にセットしてやる。6月には収まってるはずだ、そうだろ?
A:
えっと、これは馬鹿げた質問かもしれないけど、君は外を出歩いてあれこれするんじゃないの?
C:
外を出歩く、だと?皆して家にいなきゃいけない時に?
A:
まあそうなんだけど、君は悪魔だ。仕事があるだろう。当然君は病気にもならないし、感染を広めることだってない。でも悪例として不気味なくらい人間に近付いたり、パーティーがあるとか何とか言って、人間をそそのかしたりはできる。
C:
あー…それもできる。できるっちゃできるが、もし本当にそんなことしたら、ほら…人間は俺の悪例に倣って、病気になったり死んだりするかもしれないだろ。そりゃあ、人間の暮らしをさらに酷くするべきだってのは分かってるが、誰もかれも閉じ込められてすでに相当参ってるんだ、俺は…とてもそんな気になれない。
A:
私は参ってないけど。
C:
そうなのか?ああ、ロンドンのあちこちに顔を出しては、適切なソーシャルディスタンスでもって人間のために奇跡を起こし回ってるんだろうな。
A:
いやいや、そんなことはできないよ。皆家にいなきゃいけないんだから。
C:
ふむ。
A:
窓に「閉店」サインを掲げて、ずっと読書に勤しんでいたんだ。知ってるかい、これほどまでに店の客が少なかったのは初めてなんだ!この二百年間で一番少ない!ただ数日前に、若い衆が何人か裏口から忍び込んで、金庫を盗もうとしたけどね。でもすぐに自分たちの悪行に気付いたよ。
C:
憤怒の一撃を食らわせてやったのか。
A:
大目玉を食らわせてやったよ。あとそれぞれにケーキを持たせて家に帰らせた。
C:
…ケーキ?
A:
かなりの量のね。
C:
うぐ…きっと後々質問したことを悔やむんだろうが、どういう…
A:
ほら、レストランもカフェも全部閉まってるだろう。ところが実は、本屋の1コーナーが丸々料理本だったんだ!それで小腹が空いたから焼いたんだよ…バンドケーキに、スポンジケーキに、エンジェルケーキに、サワードウのパンを4種類、シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテに…サクランボは奇跡の力で出したけど…それで、それらを焼き上げた後に気付いたんだ、全部一人で食べきらなきゃいけないんだってことに!だから私はこんなにも上機嫌!
C:
…で、泥棒たちに山ほど焼き菓子を持たせたんだな、はいはい理解した。そうだ、お前のところに避難するっていう手もあるな。ぬるっと行って、お前がケーキを食うのを眺める。ボトル…いや、ケースいっぱい、何か…飲めるものを持っていってもいい。
A:
そそそそそそれだと規則をことごとく破ることになってしまう。論外だ!これが…終わったら、会おう?
C:
…そうか。だな。目覚ましは7月にセットするか。おやすみ、天使さん。